「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」が映画化される。この手の本は、ここぞとばかりに受験シーズンにPRがされる。
「偏差値29の私が東大に合格した超独学勉強法」など偏差値○○から○○大学への体験記は山ほどあるが、その本人の頑張りは評価するが、「一般の学生」にとっては夢物語でしかない。またこの手の話は今後更に増えてくると思われる。
まず、夢物語という点については、この手の本で書かれる主人公の「出身校は有名進学校」である。
こういう話の主人公は、優等生の学校の出身者である。偏差値29、40と聞いて想像する、名前もなく年に大学卒が1-2人いるかいないかの地方の偏差値30-40の公立学校の出身者ではない。いわゆる有名な私立の付属高校など有名進学校である。
つまり、もともと受験戦争を勝ち抜いてきた勉強の素地はできている「優等生」が怠けて一時的に成績を落としたに過ぎない。
2)この手の本が更に増えるという点については、日本の大学のレベルは低下中で、「難関校」が「中堅校」になっていく。
受験生の数が減っている日本の中で、大学の難易度は全体的に下がっているのではないだろうか。最近、大学の職員と話していても、学生の質はどんどん落ちているという。私立の場合は一般企業であるので、顧客である学生の数は減らせない。既に倒産する大学が出てきているので、背に腹は代えられない。質よりは、数を優先せざるを得ない。
有名な大学も敷居が落ちてきているのが現状である。学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げてはいれるようになった慶應大学、偏差値29でもはいれるようになった東大という見方もできるのではないか。
偏差値が低くても、いわゆる「難関校」への進学物語がこれから更に増えていくと考える。その話をネタに生徒集めをしたがる塾など教育産業の後押しもあり、これからも同様の本が出され映画化もされる。
また、上記にあいまって、卒業後の学生の質も極端に落ちてきている。一流企業の会社の採用側の話でも、新卒の質の低下がはなはだしいらしい。
大学でも、高校でも、会社で使える能力が更に求められている。
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