肺がんでやつれた祖父がこれは家にもって帰ってくれと言っていた。末期であることは伝えていなかったが、今思えば時計を手放したあの時祖父は死を悟っていたのだと思う。
古い時計だが自動巻きで確り動いている。自動巻き時計はその人が動いている・生きている限り動き続ける。
10数年間祖父と喜怒哀楽を共にしたこの時計、そう考えると一つの傷についても感慨深い。
数週間前に上海の時計屋で検査したところ今でも防水機能は健全らしい(水に埋めて確かめたのかどうかは分からない。)。
大事な時計なので常にはつけていないが、仕事の場などで重要な場面ではつけている。祖父がそばにいて私を助けてくれるような気がするのである。
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