2012年9月18日火曜日

脱中国/脱日本ブランド・日本製

日本国の尖閣諸島の購入に端をはっして中国各地でデモ、日本製品の不買がおこっている。中国リスクがあからさまな形で出てきた。
1.中国市場頼みのリスク
2.日本製・ブランドを売りにするリスク

日中の交流事業などを手がける人々は、驚きを隠せないといった記事も出てきているが、そもそも交流事業に来てくれる人や日本に留学に来る中国の人は日本に対して好意を持ってきてくれているのだから親日なのは当たり前。
現在デモ、破壊行為に従事しているのは日本人が中国でも日本でも普段は話す機会もない普通の人なのであり、破壊したスーパーから製品を盗み出すといったことから知識層や富裕層とはかけ離れた人々である。人口に占める割合で言えばこの「知識層や富裕層とはかけ離れた人々」がまだまだ多い。中国に長年住んで、日本人であるからといって差別をうけた記憶がほとんどないのだが、この人々との交流はすくない。

日本企業の製品のターゲットは「知識層や富裕層とはかけ離れた人々」以外の人の中でも日本についてニュートラル以上(親日又は親日とまではいかないが反日ではない人)の人であった。市場としては十分な大きさはある(例、資生堂は年で1000億円ほど中国であげている)のであるが、現在のような事象がおこれば、この日本についてニュートラル以上の人々の数も減る。つまり、日本企業としては工場を止める、店が燃やされて損失がでるだけでなく、将来にわたって市場を失うことになる。現実、先々月、先月と日本の家電の売り上げは減少傾向にある。

もしいま自分が中国人であれば、自分は日本の製品が好きで買っていても、現状下で両親や友人からなぜ日本のものを買うのかと問われれば躊躇するだろう。

ある日本に上場の企業と話をしていたら今年が海外進出元年との話を聞いて唖然とした。また実情を聞いてみれば海外で商売ができる人材はまだいないとのこと。遅すぎる。どこの国に出て行くのかというと、これからまずは中国進出を加速するという。現況下でスムーズな進出ができるのかは甚だ疑問である。これは日本の企業の多くにあてはなまる。中国リスクが少ない、外資企業で中国進出を加速するのは当たり前で、海外市場として中国一国に集中する方針も悪くない。しかし、日本企業としては中国進出よりも、そのほかの市場でまず儲けられる体制を構築するべきであろう。

中国以外の市場の開拓が急務である。日本企業としては難しい課題だが、全世界に出られる人員体制を整える、日本政府はそれが出来るように補助(JETROがやっているような情報提供だけでなく、海外政府を積極的に働きかけて日本企業の現地マーケットへの優遇策を通じた誘致、現地ビジネスコネクションの醸成)を行うべきである。

また、日本企業でなければこのリスクは回避できるのであるから、日本企業が中国で日本ブランド・日本製を表立って売り出す戦略は疑問視されるべきである。例えば、欧米のブランドを買い取る、大日本印刷や日本製紙のように会社名、製品・サービス名に日本のつく会社は、日本の連想させない海外用のサブブランドを用意し同時に展開する、本社は日本でも、欧米ブランドとして製品のブランディングを構築することも考えられる。日本企業としてブランドを確立した資生堂やSONY、JAL、ANAなどでも、日本ブランドでない製品ラインナップ(欧米ブランドとして)をそろえることは戦略的に意味がある。
中国製のアップル製品や韓国製品がもてはやされている様に、日本製だけにこだわれば売れる時代は終わった。「売れるブランド」をつくる技術が企業側に求められる。

今の中国でのデモ、暴動の問題は日本企業に様々なビジネス可能性の視点を与えてくれる。


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