2014年2月7日金曜日

日本マクドナルド 敗因は?無駄なあがき。

原田社長がサラ・カサノバ社長に変わったが、特に大きな成果は見えない。状況はむしろ悪化しているように見える。

2014年2月6日の報道で、日本マクドナルドホールディングスが発表した2013年12月期連結決算は、売上高が前期比11.6%減の2604億円で、営業利益が同53.5%減となったとある。


あくまで私見だが、原因は少子化。日本では、マックは若者の安いジャンク食の代名詞であり、この位置づけを変えることは難しい。


現在、マックがやっているような質の向上、健康志向、単価の向上を目指せば、その位置づけとはずれ、客はどんどん離れていく。


マックは日本では衰退産業であることを認識し、


1)これまでのマックの規模を小さく細々と事業をおこなう、

及び/又は 


2)まったく別のイメージを持つブランド(極端な話、タリーズやスタバ)を買収し運営すること


が生き残る道であろう。


自分が学生のころはマックは楽しみであり、目新しかった。牛丼やカレー、スパゲッティーと違って、マックのメニューは家では食べられないもの・味であり、学校帰り、週末に友達とマックに行ってだべるのはライフスタイルといっても過言ではなかった。


この頃、自分にとってのマックの位置づけは「手ごろでおいしいジャンク」であった。ここ10年、海外で仕方なく行く以外は、マックに行かなくなった。少なくとも学生時代に比べたら所得が上がったこと、ジャンクを体が受けつくなくなったことがある。


10,20年前までは自分はマックのターゲット層そのものであり、自分のような若者が夏はシェイク、冬はグラコロと踊らされ、マックの売り上げを支えていたと思う。

ベイビーブームの波に乗り、ありの大群のようにマックに押し寄せていたあの頃。

その頃の学校のクラス数は10クラスほど。学校に入りきらずに増築したり、図書室などもクラスに使うほどであった。一人ひとりの単価は低くても数のスケールメリットがあった。

今はクラスは2クラスほど。マックのターゲットである若者は確実に減っている。地方ではさらにその傾向は顕著だろう。


ジャンクに魅力を感じなくなった僕ら「旧」ターゲット層に対して、マックが健康志向・高品質の製品を投入したいのはわかるが、その様な製品は僕らにとってはマックでないのだ。

よしんばマックが健康によいメニューを出したとしても、健康志向なら別の店にいくのだ。マックに健康志向はまったく期待していない。マックに行く理由は一つ、ジャンクが食べたいときにいく。


昨今のマックの戦略は客単価をあげるための値上げと質の向上。これはこの位置づけにまったく逆行するものであり、マックの魅力を下げるのみである。

「高品質」についても一言。

途上国に住んでいた頃はマックやKFCへの依存度は高かった。他の店の質がひどかったからだ。質といっても、味というよりは食の安全のレベルの話である。マックより安い店はいっぱいあって、味もおいしい店(マックより高い地元のレストランなども含む)はいっぱいあっても、食べた後におなかを壊すような経験を繰り返すと、マックなどの質に信頼をおくようになる。

しかし、日本においては質は偽装問題などありながらも、途上国とは比較にならないほど質は保たれているので、食の安全のレベルでの質にマックの優位性はない。では、安全以上の質になってくると、マックに期待することはゼロ。結局、食品は中国でつくっていたり、カーギルの大工場で大量生産されているものがほとんどと推測され、そこに地元の家族がほそぼそと経営する定食屋の質は期待する隙間はない。



マックの日本で生き残る道は大きく二つ。


1)これまでのマックの規模を小さく細々と事業をおこない不採算部門をきり、採算が取れるところだけに資源を集中する。前述したように、これまでのマックという業態は、そのボリュームゾーンの若者層が縮小する中で衰退するしかない運命にある。これに対抗しようとイメージの変更(例えば、マックカフェでこころみたようなイメージ変更)を図ったりしても経費の無駄なのだ。


2)まったく別のイメージを持つブランドを買収し運営することで、衰退する「マクドナルド」という業態からの脱却を図る。マクドナルドという看板である限り、ジャンクで安いという市場の期待からは逃げられない。このイメージの問題は、まったく異なるブランドを買収し運営していけば容易にクリアーできる。極端な話だが、マックがもともと単価の高いタリーズやスタバを買収すれば、客単価も簡単にあげられる。

この二つの内の一つを選ぶか、両方行うかはマクドナルドの日本における長期的な戦略にかかっている。日本でどのような事業を行いたいか。

日本はマクドナルドにとっては成長市場ではないので、成長市場に資源を投入し、日本はあきらめる(つまり、余計な投資はせずに、市場にあったサイズで小さくもうける)か、それとも、人口の多さ、平均収入の高さは先進国ではアメリカに次ぐ大市場であるのでまだまだ事業を展開していくのか。

誤解を招きたくないのでここで宣言すると、僕はマックに行く回数は減りはしたものの、マックのジャンクは大好きだ。ポテトとアップルパイ(未認可着色料を使用していた事件で中国産だと判明してショックは受けたものの)は昔からの大好物だ。

上記は私的な考察だが、優秀な頭脳の集結したマクドナルドがその考察を間違いだと証明してくれることを期待している。

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