2012年11月26日月曜日

断食ブーム考察

数人の友人が断食なるものをはじめた。ふと覗いた喫茶店の横の女性は一日一食なる本を読んでいた。

絶食まではいかずとも、一日の食事の数を減らす「断食」はブームになりつつあると感じる。食品・中食・外食産業への影響が懸念される。

このブームは、経済が落ち込む社会で、

1)体重が減る=健康になったという感じが安価・簡単に得られる(本当に健康になったかどうかは別にして、健康になったという感じが体重が減ることで感じられることであり、健康的に減るとか、美しくなるとも別)こと
2)周囲に貧乏感を与えずに節約する理由になること

などが大きなけん引役となっているのではないだろうか。


周囲の友人の具体例であるが、一人は一日3食食べていたが、ここ3週間前から朝食、昼などを抜くようになり、今は一日一食だそうである。
もう一人は夫妻で3ヶ月ほど前からはじめられて、以前は3食をしっかり摂る派であったが、二人の体重が気になったことから夜は野菜ジュースだけにしたという。
共に最近会ったが、今のところ健康状態はよいとのこと。ご夫妻は確かに少しやせた感じがある。

個人的な体験からして、食事を抜くと体重が減るのは当たり前である。高校までは一日3食であったが、一人で生活するようになってからは朝は週末なにか友人と予定がない限りは食べない。昼ごはんも忙しいときは食べない(週1,2回はこんなことがある)。その代わり、食べるときはしっかりと食べる。

自分は太ってはいないがなぜこのような食生活かというと、食べると集中力が散漫になってしまう傾向があるからである。特にこまるのは眠気である。コーヒーをのんでもなにしても、食べると眠くなってしまい仕事が出来ない。胃に血がいってしまうので、脳に血が回りにくいとか言われるが、これはこれまでの習慣的・精神的な理由もあるのだとは思っている。食べないと集中できない人がいる傍ら、自分はその逆の部類である。このブログの読者の方にもおられると思う。

運動はしっかりしていて、朝起きる時・寝る時に腕立て、腹筋はほぼ欠かさずやっている。ジョギングなどしないが、駅のエスカレーターは使わず階段を使うように心がけている。

なにかの本で読んだわけでもなく、こんな生活をもう15年ほど続けているが、健康は状態は悪くない(少なくとも、自分でそう感じているだけだが。。)。

ランチが少なくなった理由については、食べたら眠くなるのとは別に大きな理由があった。2004年に新卒で仕事を始めた頃は貯金も何もなく、少しでも節約しようと努力していた。会社の先輩からの誘いもそこそこに、百円ショップで計200円ほどで済ましていた。アンパン又はバナナ及び500mlの飲料(コーヒー牛乳など糖分の高いもので、これはおなかにたまる)という組み合わせが多かった。このような生活を3年間繰り返したので、昼飯も少ないという習慣がついてしまったのだろう(節約の点からしては、甘いものを食べていたおかげで歯医者にはお世話になりっぱなしで、たまった小金で、当時同棲していた彼女とは夜や週末豪勢に食べることが多く、うまく節約が出来ていなかったというオチもあるであるが・・・)。

このとき会社の同僚には金がないとは、恥かしく言えなかったのは覚えている。このとき絶食療法がはやっていれば、うまい口実になったのかもしれない。今、経済が悪いので倹約に努める人が増えてきているが、やはり昔の自分のようにお金がないとか、節約しているとかあからさまに言うのが恥かしい人は多いのではないだろうか。

この絶食ブームが食品産業や外食産業に与える影響についても考えたい。

1.全体的に食品産業、中食産業、外食産業の売り上げは減る 

先述した夫妻は外食は少ないが、奥さんが料理が上手で夜は様々な食材で腕をふるっていたが、今は野菜と果物を少量購入しミキサーにかけるだけだという。

2.食べてやせるといったダイエット食品の産業がシュリンク

巷にあふれる食べてやせるというダイエット食品は特に影響が大きい。絶食の本を読んで実践するのはもともと健康に興味があり、ダイエットなどに興味のある人が多い。絶食ブームはダイエット食品のターゲットをそのまま飲み込んでしまう可能性が高い。

3.絶食ブームにのったメニューを食に関る産業は出し始めるであろう

食に関る産業にとって、このブームは機会の損失だけではない。新たな商機をうむのである。例えば、パッケージにジャガイモなどのカット野菜をいれたカレーの野菜セットのように、ミキサーに入れればよいだけの無農薬の果物・野菜のパッケージをスーパーは出し始めるのではないか(すでにあったらご指摘ください)?断食に適した少量で手をあまり加えていないような製品をこれまで以上に増加させることも考えられる。

一日の食事の数がすくない自分は断食を実践して15年、特に健康に問題はないが、別に断食を勧めるわけではない。無茶をして拒食症などの病気が増える惧れもあるので、信頼できる医師の指導の下行うのがいいであろう(このブームから金をもうけようとする断食セミナーのようなビジネスもどんどん出てくると考えられるので、気をつけたい。)。

断食ブームが産業に与える影響が興味深い。

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