2012年11月22日木曜日

ある高層マンションの販売 あの手この手

経済の冷え込みが感じられる。特に先行きが見えない不動産についてはこれからさらに厳しい状態を予想している。

8ヶ月ほど前に冷やかしで高層マンションの見学に行った。都心に近く、デベロッパーは一流である。見学をした後に、言われたのは、マンション(二棟)の部屋掲載チャートを見せられ、すでに色がグレーの部分は販売済みで、黄色のところがまだ残っているところであるとのこと。グレー部分が殆どで販売員曰くすでに9割が販売済み、急がなくてはなくなってしまうらしい。

それから2週間は週末に電話がきて、いまの購買意欲はどうかとのこと。冷やかしなので、特に買う気はないとの連絡をいれた。

電話は止んだが、それから1,2週間に一回このマンション販売会社から手紙がくる。あの手この手で買ってもらおうとするマンション販売会社の手の内が面白い。

はじめの一ヶ月は、マンション内のモデルルームが出来た(見学に行ったときは、マンションの外の特設モデルルームだった)ので見に来てはこと。そして、まだ部屋が「若干」残っているから見に来てはとのお知らせ。9割も売れていたのだから、もう1,2週間で売れてしまうんだろうと考えた。

次の一ヶ月は売り切れ間近なので急いでくださいとの連絡。あれ、意外に売れなかったのだなという感じ。

その次は家具を無料でつけるので買ってくださいとの連絡。これは、どうも怪しくなってきた。

半年ほど経ったとき、再度、見学会で見せてもらったチャートが送られてきた。すると、なんと見学会で見せてもらったものとほぼ変わらないものであった。よく見れば、見学会のときには部屋として販売されていた部屋が会議室なるものに変更されているくらいの違いである。まったく売れていない。

それからも家具をただでつける広告とともに、緊急でキャンセルが発生したので、今だけ・・・円といった通知を3週間続けてもらった。

その後は最後の一部屋ですとの告知。

ついにこの告知の喜劇も終わりを告げるのかと思ったが・・・、2週間後またも同社から封筒が来ていた。

その封筒を開けると、モデルルームの販売のお知らせであった。モデルルームはなんと4部屋もある。家具もついているのでそのまま買ってほしいという内容。マンションの部屋チャートをみれば、8ヶ月前から1,2部屋しか売れていない。残りの部屋は会議室にしたり、「モデルルーム」にしてみたりとかなり焦りが見えている。

不動産情報誌をみると、3.11以降は津波の心配などがある湾岸あたりのマンションは常に広告をだしており、まったく売れる見込みがないことが伺える。幸せそうに住んでいる住民のコメントや耐震性の情報など載せているが売れていないのだろう。

都内の内陸部でも一年経っても売れない不動産がでてきており見るに耐えない。

と、書いていた矢先、本日も手紙が来た。その手紙には「おかげさまで、残り10室」とある。まだ10室も売れてなかったのだ。これでは8ヶ月前とほとんど変わらない状況である。いや、むしろ空き室が増えたか?

「おかげさまで」という言葉もどこか変な感じだ。私が買わなかったから「おかげさまで」まだ10室も売れずに残っているという意味だろうか?





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